ミレイ③ 美しさだけを求めて
ミレイさん紹介シリーズ
本日はこちらの絵!
いや、女の子かわいっ!!!
というのがまずストレートな感想です。
ちょっとアンニュイな雰囲気も凄くいいですね。
時間がまったりと流れていそうな…。
この絵を見つめている時だけ、時間がスローになるような感じがします。
本当にみんながみんなめちゃめちゃ可愛いし、このまま時間が止まってくれ~と思うような絵です。
女の子に目を奪われがちですが、この落ち葉の山もすごく美しいです。
最初女の子ばっか見てましたが、落ち葉にいったん目が行くと今度はそればっかり見ちゃいます。笑
ところで、「唯美主義」という言葉があります。
意味は「意味とか形式とかどうでもいい。美しければいいじゃん!」っていうスタイルのこと。
ミレイの絵が、この唯美主義の先駆けなんじゃないかって見る人もいるらしいんです!
ミレイがこの絵を描いたのは1856年…
「美しさこそすべて」なんてよくある考え方のように思えるんですが、意外と最近の考え方だったんですね。
特に西洋では、キリスト教や王室と絵画は無縁ではいられなかったからか、絵には意味や教義がこめられていないとダメだよ!みたいな信念めいたものがあったのかもしれませんね。
物語から解き放たれて美しさだけを求めた「主題のない美しい絵」に、ミレイは取り組み始めます。
「物語のある絵」と「美しい絵」は両立しないと考えていたみたいです。
(両立しないかな? 私はそうは思わないけれど…。)
だけどやはり「物語」を大切にするお国柄・イギリス。
「主題のない美しい絵」の試みの評価は当時芳しくなく、ミレイは「物語のある絵」に戻って行ってしまうんです。
しかしその時に描いた絵が、周囲の画家たちに新しい方向を示し、1860年代以降に盛り上がる唯美主義につながっていったんだとか。
こんなほっこりな絵に、そんな美術史のドラマがあったなんて…!と、嬉しくなる発見です。