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京大タテカン事件に感じた国芳スピリット

京大タテカン撤去騒動がニュースになっていますね。

 

京大の文化であり名物である立て看板ことタテカン。

サークルの勧誘だったり学生の主張だったりが描かれ、学校沿いの歩道の石垣にずらっと立て掛けられているんだそうです。

 

立て看板についてまとめた京大生のブログがありましたので、ご紹介。

www.goethekyodai.xyz

 

私はこんな文化、めっちゃくちゃ好きです! なぜって純粋に面白いからです。

立て看板で共感を得ようとしているのかしていないのか、ももはやここまでくるとそんなことは問題じゃない感じ。笑

ただ表現したいことを表現した結果カオスな雰囲気が生み出され、京大にしかないディープな文化を形成しています。

キレイな場所は他にもいっぱいあるけど、ディープな場所ってあんまりないんだから、京大はそういう場所であってほしいなぁと思います。

 

しかし、これが街の外観を損なうとのことで、市の指導も入り、京大はタテカンを撤去することを発表。

 

これに学生は猛反発!

抗議方法のひとつとして「看板がダメなんでしょ? じゃあ垂れ幕で行くわ!!!」と垂れ幕を掲げ出した団体がいるんだそうです。

 

それを聞いた時、歌川国芳スピリットを思い出さずにはいられませんでした。

 

国芳が活躍したのは、水野忠邦天保の改革によって楽しいことや贅沢品が禁止された時代。

なんと歌舞伎役者の絵を描くことすら禁止されたそうです。

 

そこで国芳が描いたのが、こちらの絵でした。

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Kuniyoshi Project

「役者絵じゃなくて、壁の落書きを描いただけですけど?」というのが国芳の言い分。

知恵を使って自分の意思を通すって、痛快ですよね。

国芳の江戸っ子ならではの熱い男気と発想力が合わさって、「こんな絵あんのか~!」と初見の人が誰しもたまげる作品ができあがりました。

 

規制をかけてくる人を「ぐぬぬ」と言わせるこのスピリット。

京大のは垂れ幕は、どうなるんでしょうか?