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ビュールレ・コレクション展 盗難に遭った作品たち

ゴールデンウィークに東京に見に行ったビュールレ・コレクション展。

 

実はビュールレ氏のコレクション、2008年に盗難に遭っているんです。その被害を伝える当時のニュースがこちらです。

www.asahi.com

 

この事件の結果、現状のセキュリティでは対応できないとして、氏のコレクションは2020年にスイスのチューリヒ美術館に移管されることとなりました。今回日本でこのコレクションが見られるのは、移管するまでの期間だからなんですね。

 

こんなこと言っちゃいけないのかもですが、ある意味泥棒が入ったことで日本人がビュールレの絵を生で見れるという…。なんだか不思議な縁ですよね。

 

盗まれた4枚の絵はその後無事見つかり、しかも東京で全て見ることができました!

私はどの絵が盗まれていたのかは帰宅後に調べて知りました。事前に知ってたら「あぁこれ盗まれたやつね!」ってもっとニヤニヤしながら見れたのになぁ。

 

これから見に行く皆さんにはニヤニヤしながら見ていただきたいので笑、その絵とはどれかをご紹介です。私が鑑賞しながら作品リストに書いたメモと一緒にご紹介します。

 

セザンヌ「赤いチョッキの少年」f:id:ayalake169cm:20180513200644j:plain

メモ:構図重視で腕を長くしたそうだが、私には「構図すごい」より「長っ」感がぬぐえなくて違和感が。遠くで見ても近くで見ても、腕やっぱ長い。(注:福だるは構図の知識がさっぱりありません。)でもやっぱりセザンヌのざっくりとした色の塗り方は大好き。気持ちよい。

 

ドガ「リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち」f:id:ayalake169cm:20180513200709j:plain

メモ:この伯爵は画家でもあり、気難しいドガの少ない友人の1人だったそうだ。その割に背景みたいに描かれているが、メインは娘だからまあいいのか。奥の幼い子の表情がなんか良い。(画像だと青白くてちょっと怖いですが、実物はきょとんとした小動物みたいで可愛かった。)

 

モネ「ヴェトゥイユ近郊のヒナゲシ畑」f:id:ayalake169cm:20180513200729j:plain

メモ:ヒナゲシよりも、空と池(川?)に目を奪われた。曇天なのか、どよんとした空気感が印象的。水面のシュッと走った黒い絵の具が、近くで見ると荒々しいのに離れてみると「ザ・川」に見えるのはもはや魔法っぽい。 

 

ゴッホ「花咲くマロニエの枝」f:id:ayalake169cm:20180513200752j:plain

メモ:1890年製作ということは、ゴッホの亡くなる年の作品。医者のガシェ先生の家で描いた作品とのこと。少し前にゴッホ展でガシェ先生の写真や手紙を見たこともあって(日本人宛の、慣れないカタカナで「ガシェ」って書いた葉書など)親近感を持って見ることができた。

 

あらためて振り返ると、本っ当にどれも名作ですね。

画像はこちらのビュールレ・コレクションのホームページからなのですが、作品一覧を見るとほとんどの主要作品を東京に貸し出してくれていたことが分かり、更に見れたことへのありがたみが増してきました!

Artworks · Foundation E.G. Bührle Collection

これから九州・名古屋を巡回するので、そのエリアに住む人が羨ましいです。もう1回見たいなぁ!