美術ビギナー

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視覚芸術百態展 マグリットのパイプ問題

マグリットの有名な作品。

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「イメージの裏切り」(1928-1929年)

 

パイプの絵の下には「これはパイプではない」との文章が書いてあります。

さて、これはパイプでしょうか?パイプじゃないでしょうか?

…っていう問いかけ。

 

「パイプじゃないよ、だってこれ絵じゃん」っていうのは身も蓋もないなと思うしなぁ。

深く考えるのが苦手なわたしは、「もうパイプでいいじゃねえか」ってまず思っちゃいますけどね。笑

でもパイプじゃないって書いてあるからなぁ。

てことは、パイプにそっくりなチョコレートとかオブジェとか、そんなようなものを描いた絵かな?

でもその文章がなかったらパイプですよね。

作者がパイプじゃないっていったらパイプじゃなくなるのか? 

本当にパイプを描いているんだけど、パイプじゃないって文章がくっついている可能性もあるよなぁ。

絵と文章、どっちを信じたらいいのかなぁ。

「もうどう見たってパイプじゃん」で終わらせていいのか?!

 

みたいなことをぐるぐる考えて、結論出せず疲れて終わっちゃいます。

脳の使い方へたくそ。笑

哲学とか好きな人、本当に尊敬します。

 

この問題に関しては、フランス人哲学者のフーコーさんが本にまでして考え抜いているそうなので、興味のある方はぜひ。

わたしは一生読まないジャンルの本かなぁ。。

 

 

今回このマグリット作品を下敷きにした作品が、視覚芸術百態展にありました!

それがこちら。

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オリバー・ビア、「これはチャーチワーデン・パイプである(右側)」2014年の作品。

 

これは、パイプをうっす~くスライスしたものを壁に貼り付けているんだそうです。

(はがせるのか気になった。笑)

 

だから材質は本物のパイプ。

そしてタイトルもパイプだよって言いきっている。

 

さあ、これはパイプでしょうか?

 

でも、吸えないじゃん…。使えないじゃんこれ…。

それはパイプって言わないんじゃないのかな?

 

いや、でもシルエットはパイプだよな。

パイプの1つの部品だけ見せられたら、「これはパーツ! パイプじゃない!」って言いきりやすいけど、全体のシルエット見せられるとパイプじゃないって否定しくくいなぁ。

 

平面ってのがなぁ。

平面だからパイプとして使えない、だからパイプじゃないって言おうとすると、絵も写真も全部平面だっていう新しい問題発生するな。

絵に描いてあるものは全部「そうじゃない」っていうことでOKか?って聞かれると、それもまた違う気がするなぁ。

 

みたいなことを、やっぱり結論出ませんが、ぐるぐる考えさせられる作品でした。

 

オリバー・ビア、検索してみたら1985年生まれのイギリス人! またイギリス人!笑

そして若いですよね。

youtubeで彼の話している姿も見れたのですが、肌つるつるでシャイな感じで素敵な兄さんでした。

英語もっと勉強して、何て言っているか分かりたいなぁ。