人生に死の影多すぎフリードリヒさん
昨日のブログで、フリードリヒさんの絵をいくつかご紹介しました。
今日はフリードリヒさんの人生について調べてみたいと思います。
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(1774-1840年)
ドイツ生まれたフリードリヒさんは…
・6歳で母親を亡くす
・8歳でお姉ちゃんを亡くす
・13歳で弟を亡くす (しかもアイススケート事故でフリードリヒを助けようとして溺死…)
・17歳でお姉ちゃんを亡くす
家族を亡くすという辛い経験が多すぎる。
29歳の時には、喉を切って自殺未遂を起こすほど精神を病んでいたようです。
キューゲルゲン作のフリードリヒの肖像画。
長いもみあげは、自殺未遂のときにできた傷を隠すために伸ばしたとも。
家族を亡くした経験の中でも、弟が目の前で溺れて死んでいったのを助けられなかったことが、フリードリヒの心に重くのしかかったと言われております。
有名な「氷の海」という作品ですが、描いているときにスケートリンクで命を落とした弟のことが絶対頭の中にあったと思います。
私の印象ですけど、
この絵を見ると、最初は「自然は凄い、怖い、畏敬の念…」という感情を持つんですが
ずっと見ていると「自然ってこんなに凄いから、弟が命を落とすのも、船が割れ目に巻き込まれるのも、しょうがないよね」みたいな、一種の諦め?というか、カラッとした印象に切り替わる気がするんです。
ざっくりしすぎな表現でいうと「自然には抗うことができない、ひれ伏そう、きれいだし壮大だし」みたいな感じでしょうか。
フリードリヒの描く風景画は、きれいだし分かりやすいし、諸行無常の考えがあって災害が多い国に住む日本人にも響きやすいと思います。