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オスマン帝国からドラクロワへ

オスマン帝国について調べていると、ドラクロワにたどり着きました。

こちらは有名な「キオス島の虐殺」。1823-4年の作品です。

 

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(画像はパブリック・ドメインより)

 

オスマン帝国軍ギリシャ・キオス島の人々を虐殺・凌辱している様子を生々しく伝えています。

 

抗う者、最後まで愛しい人にしがみつく者、抵抗を諦めて呆然とする者、すでに亡くなっている者…。

 

当時ギリシャオスマン帝国支配下でしたが、ナポレオンの登場が「戦って独立を勝ち取とろう」とギリシャに刺激を与えました。

また「ヨーロッパの起源って古代ギリシャだよね」というギリシャ人のアイデンティティーを奮い立たせる文化的な思想も高まっていたこともあり、ギリシャは1821年にオスマン帝国からの独立を求めて戦うことを決めるのです。

 

ロシア・イギリス・フランスも味方に付き、1827年のナヴァリノの海戦でオスマン帝国・エジプト連合軍に勝利したことが決定打となって、1830年ギリシャは独立を果たします。

 

しかし、独立を果たすまでに、あまりに多くの血が流れました。

その戦場のひとつがキオス島でした。

 

一説によると、9万人が殺され、5万人が奴隷として売り飛ばされ、2.5万人が追放されたそうです。

隠れて生き延びた住人は2,000人程度たったとか。

見るホームページによって数字が違うのでどれが正確かは分かりませんが、大量虐殺が行われたという事実は間違いないです。。。

 

この絵については、今までドラクロワが描いた虐殺のシーンだってことは知っていましたが、誰が誰になんで虐殺されているのかまで理解していなかった。

有名な絵だから作者と作品名だけ覚えてなんとなく分かった気になってしまってたな。

描かれた背景を知って、もっと臨場感を持って見ることができるようになりました。

これから気になった絵のストーリーはもっともっと調べていこうと思いました。