美術ビギナー

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クリムト展⑤女の三世代を好き勝手に見る

クリムト展が楽しかった理由。

 

④女の三世代でしんみり

 

クリムト展には2つの目玉があり、ひとつは前回紹介したユディトですが、もうひとつは「女の三世代」です。  

こちらも非常に良かったです。

ユディトがスドーンとくるとしたら、女の三世代はシミシミ。

 

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非常に有名な絵で、初見の印象は「おお〜!見れた〜!赤ちゃんのほっぺかわいっ」でした。

(シーレの「家族」っていう絵の赤ちゃんのほっぺもかわいい。なぜかウィーンの赤子ほっぺがツボる私。笑)

 

でもずっと見ていると、なんだか違う気持ちに。

 

本とかネットでこの絵を見ていた時は、右側の赤ちゃんや若い女性にばっかり目がいっていました。

しかし現物を見ると、左の老女の存在感が半端なかったです。

 

特に、手!

老女の手の描き込みが凄かったです。

年齢って手に出ますもんね。

でも、しわしわで弱々しいというよりか、書き込むことで立体感が生まれて、逆にたくましく見えた。笑

男の手みたいだなぁと思いました。

 

そうしたらなんかこの老女が、男に見えてきてしまったんです。

老女だけ、肌の色も背景も違うし。

 

赤ちゃん→若い娘→老女

っていうよりかは

赤ちゃん&若い娘 対 老女

というようなイメージを持ちました。

 

若い女の美しさや妖艶さを知っていたクリムトが老女になりかわって、若くて美しい期間の儚さを嘆いている絵なのかなぁと思いました。

 

あと、この茶色と銀色の背景が凄くいいです。

無常!って感じで。

サラサラ時が流れていく、儚さのある空間を作り出しているような。

 

と言った感じで好き勝手に思いを巡らせながら観ました。

 

余談ですが、赤ちゃんの絵って「かわい〜!」のみで感想完結という見方しかしてなかったけど、「この子もこれから大人になって色々あるよね…」と赤ちゃんの将来に思いをはせる見も、この絵を見るとしたくなりますね。

aikoでいうと「瞳」みたいな見方。赤ちゃんに対して「あんたもいつか恋愛するよね」っていう歌。