希望 タイトルと絵のギャップ
タイトルが作品にとって大きな意味を持つことがあります。
こちらの絵をご覧ください。
…怖っ!
イギリスの画家・ワッツの絵です。
この絵のタイトル、なんだと思いますか?
正解は「希望」なんです。
英語では「Hope」。
うそやん?!って思いましたよね?笑
わたしもガッツリ思いました。
むしろ絶望の方が近くない?って思いましたよね?
この絵のどこが希望?
希望って、いったい何?
タイトルを聞くと、こんなこと考えざるをえませんよね。
希望っていうと、普通は将来に向けた期待やわくわく、願望を表す言葉です。
しかしこの絵では、ワッツならではの希望が表現されているというんです。
目隠しされた女性が、ボロボロの琴にすがっていますね。
この1本だけ残った弦こそが、いろんなものを失ったとしても最後に自分に残っているもの。そしてそれが希望なんだ!
ということなんだそうです。
弦きれちゃってもう美しいメロディを奏でるなんて無理って思ってたけど、まだ一本弦残ってるじゃん!
この一本の弦がわたしにはある!
って思えるかどうかが大切なんだということですね。
たしかに、未来に夢を見るのも素敵ですけれど、自分が何を持っているのか、これだって言い切れるものがあるのか、それが分かっている人って魅力的ですよね。
そして、どんな状況でも強く生きていけそうです。
そうやって思って絵を見ると、初見では絶望感マックスに見えていたはずの絵が、違って見えませんか?
目隠しされてる、不安定な場所にいる、でもまだ私には弦が残ってる!ってメッセージが感じられるような気がしてきましたよね。
女の子の横にマンガみたいに吹き出しで「いける!」ってセリフ書き入れても違和感ないくらいに見えてきませんか?!それはさすがにですか。
タイトルひとつで、絵がここまで意味を持ってくるなんて面白いですよね。
もし「希望」ってタイトルで絵を描いてみてって言われたら、普通絶対こうならないですよね。笑
いろんな人がいろんなことを考えて、いろんな方法で表現するのを楽しめるのですから、アートは本当に楽しいです。