サカナクションという体験
美術のブログですが、今回は音楽フェスについて。
ちょっと書かずにはいられない体験をしたので…!
先日、メトロックへ行ってきました。
私が行った日のヘッドライナーは、サカナクション。
サカナクションを見るのは、去年のラッシュボールという野外フェス以来。
そこで始めて見たサカナクションで度肝を抜かれたのです。
サカナクションはトリだったので演奏時には空は真っ暗なのですが、その夜の闇に音楽と体と心が溶けていくような、日常生活では踏み入れることができないような空間が作り出されていました。
音楽と一緒に、自分と空気の境界線がなくなって夜空にぐわ~っと広がっていくような感覚です。
怪しい宗教じゃないですけど(笑)、宇宙を感じるような、大袈裟に聞こえるかもしれませんが本当にそんな感じ!
音楽でそこまで表現できるなんてことある?!と衝撃受けっぱなしでした。
終演後は放心状態となったのですが、私は「音楽を聴くというより、体験した…」という名言を残していたらしいです。笑
そんな去年の体験があったので、サカナクションにもってかれることはもう承知の上。
なんでサカナクションのライブってこんなに他のバンドと違うのか?という問いをたてて、自分なりの答えを突き詰めてやろうと心に決めてメトロックに挑みました。
そしてメトロック…サカナクションの登場!
山口一郎さんが観客に背を向けてステージに立ったのですが、ステージから放たれるまばゆい照明に浮かび上がる一郎さんのシルエットが神々しくて「これからただ事じゃない何かが始まる感」が急速に高まっていきます。
そして演奏開始。
あ~やっぱり持っていかれた~~~!!!
でも、持っていかれることは分かっていた~~~!!!
鳥肌が立ち、頭の中は澄んで、体は音楽にのって、そのままず~っと上の方まで際限なく広がっていく感覚…再び訪れました。
今回は、これってなんで?をを突き止めてやる!!
全身の毛穴でサカナクションの音楽を聴きながら、ずっと考えていました。
そして出た私なりの結論を簡単に。
他のバンドとサカナクションが最も違うなと思うのは、サカナクションは「聴き手の潜在的な記憶や感情を引き出す」ことができるところなんだと思うんです。
私は通常バンドを聴くとき、曲から作り手の気持ちを連想します。「この曲で伝えたいメッセージは何かな」「この曲を演奏してるときのバンドはこんな気持ちかな」とか。曲からバンドのイメージを掴もうとします。
しかし、サカナクションをフェスで聴くときはそうじゃありません。サカナクションの歌詞って、固有名詞があまり出てこず抽象的なんです。そして、シンプルだけど選び抜かれた単語で構成されています。
易しいけれど研ぎ澄まされた歌詞が耳に入ってきたとき、呼び起こされるのは自分ですら忘れてたような記憶とか感情とか。自分の中に眠っていたものを呼び起こされるような感覚を感じます。その感覚が、洗練された音楽と一郎さんの真摯な歌い方によって増幅していくんです。
だから、サカナクションって聴き手に委ねてくれる部分が大きいなぁと思います。
他のアーティストのライブを聴くとき、知っている曲だとのれるけど、知らない曲だと(失礼ですが)ちょっとしらけちゃったり集中力が途切れちゃったりすることってあるじゃないですか。
だけどサカナクションの曲は、自分の中の記憶や感情を探る旅を開始することになるので、知らない曲でもずっと集中して聴けたんです。これってすごいなぁと思いました。
「音楽」「曲」っていうものを、他のアーティストとは別の視点でとらえている気がする…。
はぁ~凄い。サカナクション凄い。
日本の宝として外国人に紹介したい。笑
以上が私が感じたサカナクションでした。
最後に私が好きな曲のリンクを貼っておきます!