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ユトリロ③ 絵を描き始めたきっかけ

ユトリロについて。

 

パリで画家として認められて成功にしたにも関わらず、奥さんに「あんたは絵を描いて稼いでくれればいいんだよ」的な扱いを受けていたユトリロさん。

 

もうそれだけでも心にウッとくるものがありますが、ユトリロの人生はもう若い時から波乱万丈なんです。

 

ユトリロの絵を描き始めたきっかけにも、その人生のハードさが漂っています。

 

アルコール依存症の治療のために精神病院で、医者から絵を描くことをすすめられる。

しかも17とか18歳です、その時…。

 

その絵が上手だったので評判になったんです。

でもその絵は、現実に苦しみながら光を求めて描いた絵だったのかなあと思いながら改めて絵を見ると…胸に迫るものがあります。

 

ユトリロはパリの路地や建物を描いています。

表面的な華やかな街としてでなく、この街で生活をしている人がしっかり地面に足をつけて描いたっていう感じがするんです。

その絵はとても人を引き付けるんですが、でもどことなく哀愁というか空虚というか…少しだけ、バランスを欠いたような不安な気持ちもふわっと胸に沸き上がります。