視覚芸術百態展 耳の人・三木富雄
視覚芸術百態展で心に残った作品。
今回は、三木富雄さんという方の「EAR」という1967年の作品です。
私が国立国際美術館で見たズバリの作品の画像は見つからなかったので、他の美術館に所蔵されている作品の画像になりますが、こんな感じ!
私が見た作品は、とにかく耳がでかかった!
169cmの高さでした。人1人分。
「スケール」というテーマのコーナーに展示されておりました。
同じコーナーに展示されていたトーマス・ルフのポートレートを見た時にも思いましたが、サイズが「えっ?」と違和感を抱くぐらいに大きくなっていると、不思議としっかり改めて見ようとする気持ちになるんですよね。
改めて耳って不思議な形だなぁ。
ずっと見てると、ピアスやイヤリングで飾り立てなくたって、もう充分個性的だなって気がしてくる。
耳だけ、顔のパーツ仲間のなかで外っ側に追いやられているなんてちょっと不憫。
(まれに動かせる人もいるけど)動かそうと思っても動かせないパーツっていうのも、謎の頑固さある。
だけどなくちゃ困るヤツ。
こいつが音や言葉を拾ってくれるから、私たちはそれを脳でキャッチして変換して感情を感じることができてるんだよなぁ。
…みたいに、今まで耳に関して思いをめぐらせたことなんてなかったですが、こんなでっかい耳目の前にしたら色々考えちゃいます。
この作品を作った三木富雄という作家に興味がわいてきます。
作品リストによると1938年うまれで1978年に亡くなっています。若くして亡くなられていますね。。。
ネットで調べてみました。
早くから美術家を志す三木に反対する父親が、条件として理容師の資格を取得することを求めたため、東京公衆衛生技術学校を卒業
「耳が私を選んだ」と述べ、執拗に人間の耳をかたどった作品を制作しはじめるのは1962年からである。
理容師免許を持っておられたんですね。
人の髪を切るときってどうしても耳に意識が行くと思うんですが、それも関係あったりするのでしょうか?
また、「耳が私を選んだ」という発言、すごいですね。。。
三木富雄さんは「耳」というテーマに憑りつかれた、耳の芸術家だったんですね。
また、三木さんを知る画廊のオーナーのインタビューも非常に面白かったです。
「30年目の三木富雄」展 2008年9月24日(水)-10月7日(火) gaden Exhibition report
今後色んな美術館で、三木さんのつくった耳と遭遇できるのが楽しみです。