モネ展図録でお勉強③ルイ・カーヌの睡蓮
「モネ それからの100年」展の図録を見て感じたことなど。
この展覧会では、モネだけでなく彼に影響を受けた作家の作品も展示しています。モネがどのように受け継がれたのかを考えさせる見せ方になっているようです。
図録をパラ見していたら、この絵が目にとまりました。
ルイ・カーヌという作家の「睡蓮」、1993年の作品です。
荒々しいタッチとビビッドな色彩が、私の好きなモネの晩年の画風に似ているなぁ!と第一印象で感じました。
そして、似たような絵が9枚並ぶという構成。
モネは同じテーマを何枚も描いた画家として有名なので、そのオマージュでしょう。
以前の私が見たら、「こんな似たような絵何枚も描いちゃって」とパッと見て終わりにしていたと思います。
しかし数日前に写真撮影に立ち会う機会があり(こちらのブログ参照:
写真って、どう見る? - 美術ビギナー)、その際に少しの色・角度・位置の違いで作品のイメージが刻々と変化するというのを体感したので、「ちょっと違う」ということがとても新鮮に感じられます。
「何が違う? どう感じ方が変わる? 私はどれが一番好きかな」と、自然と9枚を丹念に見ようとする鑑賞方法になっていました。
ちなみにですが、私が一番好きなのは真ん中の段の右端の睡蓮。秩序がある感じがいいです。
その後に下段の左端に目を移すと、光がパァーっと入ってきらっと空が光るように感じられてなんとも心地いいです。